三日月の絆その3

迎え

迎え

くさっぱらでねっころがりながら、そらをみている。

 あおい、どこまでもあおいそら。

 そらのくもは、わたあめみたいにふわふわしている。 

「待たせたな、小僧」

「おぼうさん、おそいよ」 

 ぼくはへそをまげたように、もんくをいう。

あらしのよるから、いっしゅうかん。

ぼくたちは、こうしておひるどきにあうようになった。

あたらしい『かぞく』は、なにかごちゃごちゃしたことがあって、ぼくをまだむかえにこれなかった。

 だから、ぼく、まだあのおうちにいるんだけど……

 いばしょがないから、こうしてこのひとと、おはなししている。

「ふむ。傷は大分治ってきたな」

 ぼくのひだりてをみて、おぼうさんはあみがさのむこうから、とてもちいさなこえでしゃべった。

「ねえ、おぼうさん」

 おぼうさんがぼくのほうをみる。

 ぼくがこのひとにさいしょにきいたのは、このひとの名前だった。でも、このひとは、なまえをぜんぜんおしえてくれなかった。

 だから、あだなをつけたんだ。

 さいしょ『せんせい』とよんでみた。とてもあたまがよさそうで、がっこうのせんせいみたいだったから。

 なんか、むっ、とされたみたいだったから、このなまえがきらいなんだ、ってぼくはおもった。がっこうのせんせいが、きらいなのかもしれない。

 しかたないから、なまえをかえて、こうよんだんだ。

『おぼうさん』って。

だって、そのかっこうが、おぼうさんなんだもん。そのほかには、おもいつかなかったし。

つえをおいて、おぼうさんがぼくのとなりにすわる。

「まだ、迎えは来ないのか?」