紅茶
毒々しい切り替えしに昇はウッ、とうめく。瑞樹は紅茶を一杯優雅に飲むと、
「こちらから出した手紙の返事を兄さんは出してくれませんし、字久さんを通じて伝言もよこさない。こちらから会いに行こうとすると『用事がある』が決まり文句。こっそり会いに行けば行ったで脱兎の如く逃げる。ここ四年、一体何をしていたんですか兄さんは?」
追い討ちを掛けるようにグサグサ、っと言葉が容赦なく昇に突き刺さる。
こんなに毒舌だったか、こいつは?
容姿よりも、性格の方が変わっている。
「そ、それよりもだ」
止まりそうにない自身の糾弾を逸らすべく、昇は話題を変える。
床に顔を一度伏せ、いつになく真剣な表情で面を上げた。
「搭也の……爺さん、マジで殺されたのか?」
さすがに『ジジイ』と瑞樹の前で言う訳にもいかず、『爺さん』と慣れない口調で問い質す。その一言に瑞樹はやや遠慮がちに、
「一般的には行方不明と言うのでしょうが……」
言いかけ、首を横に振り、
「実際に見て貰った方が早いですね。ついて来て下さい、案内します」
ティーカップを音もなくテーブルに置くと、瑞樹は緊張したようにスッ、と立ち上がった。